以前、患者さんとのトラブルがきっかけで心のバランスを崩してしまいました。
その後、適応障害と診断された私は主治医のすすめで退職しました。
「適応障害」とは、生活の中で昌実さまざまなストレスにうまく対処できず、抑うつや不安感などの精神症状が表れて日常生活に支障をきたす病気です。
適応障害と診断された詳しい経過についてはこちらの記事を読んでください。
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ストレスに強いと思っていた看護師が適応障害になった原因
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体調が悪くても家族や友人、職場の人達にも相談できず、

職場に行きたくない。 患者さんに会いたくない。 どうしたら眠れるのかなぁ・・・。
どうしたらご飯を食べれるようになるのかなぁ・・・。
この記事では、私自身の体験を振り返りながら、同じように適応障害で悩んでいる看護師さんへ少しでも安心やヒントを届けたいと思います。
目次
適応障害はどんな症状なの?原因は?

適応障害は、「ある特定のストレス(人間関係、仕事、引っ越し、病気など)にうまく適応できず、心や体に不調が現れる状態」です。
うつ病と似ている点もありますが、原因がはっきりしていることが多いのが特徴です。

それまでにもストレスはありましたが、その出来事が大きな引き金となり、不眠や食欲不振、気持ちの落ち込みが続くようになりました。
適応障害の主な症状
適応障害の症状の有無や程度は人によって異なりますが、以下のような症状がよく見られます。
精神的な症状
身体的な症状
心のSOSサインに気づいていますか?【チェックリスト】
適応障害は、強いストレスに対して心と体が耐えきれなくなったときに起こります。
次のようなサインが出ていたら、無理をせずに立ち止まってみてください。
✅ 夜眠れない、または眠りが浅い日が続く
✅ 食欲が落ちたり、逆に過食になった
✅ 職場に行こうとすると動悸や吐き気がする
✅ 気分の落ち込みが強く、涙が出やすくなった
✅ 仕事や勉強への集中力が続かない
✅ 以前は楽しめていたことに興味がわかない
✅ 「自分はダメだ」と自分を責めることが多い
✅ 出勤前に強い不安や憂うつを感じる

専門家への相談や、職場の環境を見直すことを検討してみてください。
適応障害の治療方法
適応障害の治療は、ストレスの原因を取り除く、または軽減することが第一です。
その上で、次のような方法が取られます。
環境調整
- 職場や学校の配置転換
- 一時的な休職・休学
- 人間関係の見直し
心理療法(カウンセリング)
- 認知行動療法(CBT):考え方のクセや行動パターンを見直す
- ストレス対処スキルの学習
- 自分の感情を受け止めるトレーニング
薬物療法(必要に応じて)
- 不安や抑うつが強い場合、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります
(※長期使用は避け、医師の指示のもと使用)
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心の病気で退職を考えている看護師さんへ|知っておきたい「傷病手当金」の基礎知識
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適応障害かも?自分でできる対策
ストレスの「距離をとる」
- ストレス源から一時的に離れることも大切です
(例:休職、SNSを見ない、人間関係の整理)
信頼できる人に話す
- 話すことで気持ちが整理され、自分の状態に気づけることがあります
睡眠と栄養を整える
- 睡眠不足や栄養バランスの乱れは症状を悪化させやすくなります
心を癒す時間をつくる
- 散歩、音楽、自然に触れるなど、リラックスできる時間を意識的に取り入れてみてください
■ 受診を検討する目安 以下のような場合は、早めに心療内科や精神科の受診をおすすめします。
適応障害と診断された看護師が選んだ漢方治療
病院や介護施設で働く人の中には、心の病気を患う人が多いです。
看護師の退職理由の上位を占めているのが、メンタルヘルスの不調です。
1ヶ月以上の長期病気休暇を取得した看護師のうち、メンタルヘルスの不調者は36.8%。3人に1人が心の不調が原因のようです。(出典:日本看護協会)
私の周りにも心の病気を患った看護師H美がいました。
看護師H美はメンタルクリニックで診察を受け、薬を処方してもらっていたにも関わらず、症状が改善せずに退職されました。
徐々に症状が強くなり、壁に向かって独り言をつぶやいている看護師H美の様子を目の当たりにし、もし自分が心の病気にかかった時はメンタルクリニックには受診したくないと思っていました。

適応障害の治療で処方された漢方薬
漢方治療の専門医のいるクリニックを受診。

30分程かけて問診表とストレスチェック表を記入し、看護師さんからの簡単な問診後、診察室へ。
問診表を見ながらいくつかの質問とベットに横になり脈診・舌診、むくみの有無や腹診などが行われました。
「SAKURAさんはこのような症状がでた原因が職場での出来事とはっきりしているので、今の職場で我慢するよりも退職を考えてもいいのかもしれません。」

診察後、私が処方された漢方薬は香蘇散と六君子湯、整腸剤でした。
香蘇散:胃腸虚弱で神経質な人の風邪の初期治療)
六君子湯:胃腸の機能低下・食欲不振・胃痛・嘔吐の治療)
香蘇散と六君子湯を処方され1週間ほどで症状は改善され、怒鳴られた男性患者さんの透析日以外の日は仕事に行けるようになりました。
まとめ
私が適応障害を経験して感じたのは、「自分の心と体を守ることが、最優先」ということです。
仕事も大切ですが、健康を失っては続けることはできません。
適応障害をきっかけに、自分の生き方や働き方を見直す機会を持てたことは、今振り返れば大きな意味がありました。
適応障害は、正しく対処すれば回復が期待できる心の病気です。
「甘えじゃないか」と思うかもしれませんが、それはまったく違います。
心がしっかりと「助けて」とサインを出してくれている証です。
悪化する前に周りの人に相談し、自分にあった先生を見つけて、しっかりと自分と向き合ってください。
適応障害やうつ病などを発症する前の「こころの病気の初期症状」について詳しくはこちらの記事です。
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適応障害と診断された看護師が伝えたいメンタルヘルスについて
看護師SAKURAのプロフィール
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