知的障害者施設で働く支援員・看護師にとって、「てんかん発作の対応」は必須スキルです。
しかし現場では、
「突然の発作にどう対応すればいいのか不安」
「この対応で本当に合っているのか自信がない」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、現場経験をもとに,
✔ てんかん発作の種類と見分け方
✔ 発作時の正しい対応(NG行動含む)
✔ 夜勤・入浴・食事中のケース別対応
✔ 薬の基礎知識
✔ 発作を減らす予防的関わり
✔ 記録の書き方
を支援員・看護師がそのまま使える実務レベルで解説します。
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【知的障害者 通所施設】初めて働く人のための基礎疾患と支援方法まとめ
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目次
てんかん発作とは?(原因と仕組み)
てんかん発作とは、脳の神経細胞が一時的に過剰に興奮することで起こる症状です。
通常、脳は興奮と抑制のバランスで働いていますが、このバランスが崩れることで発作が起こります。
知的障害のある方では、脳の発達特性や既往歴により、てんかんを合併する割合が高いことが臨床的に知られています。
てんかん発作の主な種類と見分け方

● 全身けいれん発作(強直間代発作)
最も典型的な発作です。
【特徴】
・突然倒れる
・全身が硬直 → けいれん
・意識消失
【持続時間】
→ 1〜3分程度

① 突然倒れる➡ ② 体が硬直(強直性)➡ ③ ガクガク動く(間代性)
➡ ④ 動きが止まる➡ ⑤ 眠る(回復期)
強直性けいれんとは、筋肉が一気に固くなり、全身が突っ張る状態
■ 特徴
体がピーンと伸びる
手足が突っ張る(曲がらない)
顎が強く閉じることがある
声が出ることがある(息が一気に出るため)
呼吸が一時的に止まったように見える
■ 持続時間
→ 数秒〜十数秒程度
発作の最初に出ることが多く、その後に間代性けいれんへ移行
間代性けいれんとは、 筋肉が収縮と弛緩を繰り返し、ガクガクと動く状態です。
■ 特徴
手足がリズミカルにガクガク動く
顔や体が繰り返し動く
動きに周期性がある
意識はないことが多い
■ 持続時間
→ 数十秒〜数分程度
最も「発作らしい動き」に見える
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● 欠神(けっしん)発作
見逃されやすい発作です。
【特徴】
・急にぼーっとする
・呼びかけに反応しない
【持続時間】
→ 数秒〜十数秒
「無視」「ぼんやり」と誤解されやすい
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● 焦点発作(部分発作)
症状が多様で個人差あり
【特徴】
・手足の一部が動く
・同じ動作を繰り返す
・急な不安感
【持続時間】
→ 数秒〜2分
【最重要】てんかん発作時の対応方法
✔ 基本対応(必ず行う)
・頭部を守る(安全確保)
・横向きにする(可能なら)
・時間を測る
・落ち着いて見守る
❌ やってはいけないNG行動
・口に物を入れる
・押さえつける
・無理に起こす
誤った対応は重大事故につながるため注意
《ケース別|現場での具体的対応》
| 夜勤中の発作対応 | 入浴中の発作対応(最も危険) | 食事中の発作対応 | 歩行中の発作対応 |
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・呼吸確認 発作後の眠気は正常 |
・顔を水から出す 溺水防止が最優先 |
・食事中止 誤嚥リスクあり |
・転倒防止 ・周囲の安全確保 |
【緊急】救急対応が必要な判断基準
以下の場合はすぐに救急要請してください。

・5分以上発作が続く
・発作を繰り返す
・呼吸異常がある
・大きなケガをしている
・初めての発作
「5分以上」が重要な基準
てんかん治療薬の基礎知識
てんかん薬は、
・発作を完全に止める薬ではない
・発作を起きにくくする薬(予防薬)
です。

内服薬(毎日飲む薬)の役割
発作を予防する(ベースの治療)
▶ 代表的な薬
バルプロ酸(デパケン・セレニカ)
・幅広い発作に有効
・第一選択になることが多い
〈主な副作用〉
眠気
ふらつき(転倒注意)
体重増加
肝機能障害(重要)
レベチラセタム(イーケプラ)
・新しい薬
・相互作用が少ない
・よく使われる
〈主な副作用〉
精神症状がポイント
イライラ
攻撃性
不安・落ち込み
ラモトリギン(ラミクタール)
副作用が比較的少ない
長期使用されやすい
発疹(重症化あり)
カルバマゼピン(テグレトール)
部分発作に強い
〈主な副作用〉
眠気
ふらつき
内服薬で現場が見るべきポイント
① 飲み忘れ
1回の飲み忘れで発作が出ることあり
② 副作用の変化
眠気(ぼーっとする)
転倒増加
性格変化
③ 体調変化
食欲低下
倦怠感
発熱
「いつもと違う」は必ず報告
座薬(発作時)
座薬の役割:発作を止めるための緊急薬(頓用)
▶ 代表例
ジアゼパム坐剤(ダイアップ)
▶ 使用目的
発作が長引くとき
連続発作を防ぐ
重積発作の予防
▶ 使用タイミング(一般例)
医師の指示に従うが、一般的には
5分以上続く発作
連続して発作が起きる
■ 座薬の効果
5〜10分程度で効き始める
発作を抑える
■ 副作用(重要)
強い眠気
呼吸抑制(まれだが注意)
■ 現場での注意点(超重要)
✔ ① 指示がある人のみ使用
勝手に使用は絶対NG
✔ ② 使用後は観察強化
呼吸状態
意識レベル
✔ ③ 記録必須
使用時間
効果
発作の変化
座薬使用の記録例
「15時10分頃、全身けいれん発作出現し5分以上持続したため、医師指示に基づきジアゼパム坐剤使用。15時15分頃よりけいれん軽減し、15時18分に消失。使用後は傾眠あり。呼吸安定。看護師へ報告済み。」
てんかん発作が増える原因
● 睡眠不足
→ 発作リスク上昇
〈発作を防ぐための予防的関わり〉
✔ 睡眠管理
・就寝時間を一定に
・刺激を減らす
● ストレス
→ 脳の興奮が増加
〈発作を防ぐための予防的関わり〉
✔ ストレス軽減
・予定を事前に伝える
・選択肢を提示
● 体調不良
・発熱
・便秘
・脱水
〈発作を防ぐための予防的関わり〉
✔ 体調管理
・排便
・水分
・食事
特に便秘・脱水は見落としやすい

発作記録の基本構成(共通フォーマット)
まずは全ての発作に共通する「型」です。
① 発作前の様子(前兆)
② 発作開始時間
③ 発作の内容(意識・動き・特徴)
④ 持続時間
⑤ 対応内容
⑥ 発作後の状態
⑦ 追加対応・報告
この順番で書くと、医師・看護師にとって非常に分かりやすい記録になります。
① 全身けいれん発作の記録例
▶ ポイント
意識消失の有無
けいれんの種類(強直→間代)
呼吸状態
記録例
「14時23分頃、デイルームにて椅子に座っていた際に突然意識消失し、床へ転倒。全身の強直後、間代性けいれん出現。両眼上転あり、口唇より泡沫様分泌物あり。呼吸はやや不規則だが保たれていた。頭部保護し側臥位にて対応。約2分でけいれん消失。発作後は傾眠状態となり、呼びかけに対する反応鈍い。14時30分頃より徐々に覚醒。看護師へ報告済み。」
② 欠神発作の記録例
▶ ポイント
「ぼーっとしている」時間
呼びかけへの反応
回復の速さ
記録例
「10時15分頃、作業中に突然動作停止し、前方を凝視する状態となる。呼びかけに対する反応なし。四肢のけいれんは認めず。約10秒程度で自然に動作再開し、本人は発作の自覚なし。発作前後で体調変化は認められず。経過観察とし、看護師へ報告。」
「短時間でも記録すること」が重要
③ 焦点発作(部分発作)の記録例
▶ ポイント
どの部位に症状が出たか
行動の変化
意識の有無
記録例(運動症状あり)
「16時40分頃、テレビ視聴中に右手の反復的なピクつき出現。意識は保たれているが、本人は違和感を訴える。会話は可能。約1分程度で自然消失。発作後の意識状態に変化なし。経過観察とし看護師へ報告。」
記録例(自動症・行動異常)
「19時10分頃、食堂にて同じ動作(衣類を繰り返し触る)を反復し、呼びかけに対する反応が鈍くなる。歩行は可能だが目的のない動きが持続。約2分後に自然に回復し、本人は発作中の記憶なし。転倒なし。看護師へ報告。」
発作後の状態(重要ポイント)
どの発作でも必ず書くべき項目です。
✔ よく使う表現
・傾眠状態あり
・呼びかけに対する反応鈍い
・徐々に覚醒
・意識清明に戻る
・本人に発作の記憶なし

■ NGな記録例(よくあるミス)
❌「発作あり。様子観察」➡ 情報不足で医療判断不可
❌「いつも通りの発作」➡ 個別性が消える
❌「けいれんあり」➡ 部位・時間・意識が不明
良い記録のポイントまとめ
■ 良い記録のポイントまとめ
✔ 具体的に書く
→ 「どこが」「どう動いたか」
✔ 時間を入れる
→ 開始・終了
✔ 意識の有無を書く
→ 最重要項目
✔ 対応内容を書く
→ 頭部保護・側臥位など

「〇時〇分頃、(場所)にて(発作内容)出現。意識(あり/なし)、(具体的症状)。約〇分持続。頭部保護し側臥位にて対応。発作後は(状態)。〇時頃より回復。看護師へ報告済み。」
まとめ|てんかん発作対応で最も大切なこと
てんかん発作の対応で重要なのは、
✔ 安全確保
✔ 落ち着いた対応
✔ 正確な記録
✔ 日常の予防
です。
てんかん発作は「突然の出来事」ではなく、睡眠・ストレス・体調の積み重ねで起こることが多い症状です。
支援員・看護師の関わりによって、発作のリスクを下げることも可能です。
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