具体的にどんなことが大変なの?
機能訓練指導員とは、通所介護事業所等において「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」を指します。
介護施設の規模にもよりますが機能訓練指導員は1名の採用のところが多く、他の職種の人から仕事内容を理解してもらいにくかったりと大変なことが多々あります。
8年間の特別養護老人ホームとデイサービスで機能訓練指導員として勤務した中で、大変と感じたことその対処法についてお伝えします。
看護師SAKURAのプロフィール
九州在住、看護師歴25年以上
病院(病棟・外来)・特別養護老人ホーム(機能訓練指導員)・透析クリニック・デイサービス・老健施設への転職経験があり、数多くの面接を受けてきました。
現在はリハビリ特化型のデイサービスで機能訓練指導員として在籍中です。
機能訓練指導員の仕事が大変と感じる理由
私が勤務した特別養護老人ホームとデイサービスは機能訓練指導員は1名のみの採用でした。
そのため業務に関することを相談しにくかったり、仕事内容を他の職種の人に理解してもらえずストレスを感じることも多かったです。
「看護師が少ない時は看護業務を兼務してくれるの?」
と言われて、機能訓練指導員って便利に使われる職種なのかなぁと悩んだこともありました。
特別養護老人ホームの機能訓練指導員の仕事内容
特別養護老人ホームの機能訓練指導員の仕事内容は個別機能訓練加算に必要な書類の作成と機能訓練の計画&実施です。
個別機能訓練加算をとるために必要な書類の作成
利用者全員分の機能訓練実施計画書を3か月ごとに作成し、内容を説明し、署名をもらいます。
作成した計画の内容を3か月後に評価したものを利用者orご家族に配布。
実地指導でチェックされる機能訓練実施計画書についての詳しい記事はこちらをご覧ください。
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特養 実地指導 ①機能訓練指導員が提出する必要がある書類関係
続きを見る
介護職に実施してもらう生活リハビリの方法を指導
利用者のADLにあった生活リハビリ実施し、訓練内容・回数・状況などの記録を介護職と協力して実施。福祉用具や自助具などの選定。
ユニット会議・担当者会議の参加
ユニット会議に参加し、利用者さんの機能訓練に関することを伝えたり、報告や相談を受けていました。
担当者会議では機能訓練に関することをご家族に報告し、この時に機能訓練実施計画書の説明や署名ももらっていました。
趣味余暇活動の提供やレクリエーションの実施
毎日、午後から15~20名の利用者さんを対象に1時間レクリエーションを行っていました。介護職にも参加してもらい、手伝いをしてもらっていました。
特別養護老人ホームで実施していたレクリェーション&機能訓練についての詳しい記事はこちらをご覧ください
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特養で機能訓練指導員をしていた時に実施した機能訓練の内容
続きを見る
私が機能訓練指導員になって大変だったことベスト5
特別養護老人ホームの機能訓練指導員を8年間行い、大変だったことをランキングしてみました。
第1位 利用者・家族・他職種と良好関係を築くことが大変
第2位 レクの進行や利用者に適切な機能訓練や日常生活訓練の実施
第3位 仕事内容の大変さを他の職種の人に理解してもらいにくい
第4位 個別機能訓練計画書などの書類作成・家族への説明などが大変
第5位 看護師・介護職が人手不足の際に便利に使われやすい
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機能訓練指導員の大変なことへの対処法とは?
特別養護老人ホームの機能訓練指導員の仕事が大変と感じることと、対処法についてお伝えします。
利用者・家族・他職種と良好関係を築くことが大変
機能訓練指導員は利用者に煙たがられると機能訓練が実施することが大変になります。
また、機能訓練の内容をご家族に説明をすると、老健施設から特別養護老人ホームに入所された場合は「もっと歩けるように老健施設のようにリハビリをしてほしい。」など要望される方がいます。
特別養護老人ホームは老健施設のような積極的なリハビリは行っていません。
日常生活の中でのリハビリやレクリェーションが主になってきますときちんと説明していました。
機能訓練指導員だけで大人数の利用者への機能訓練を実施することは不可能です。
生活リハビリの実施・記録は介護職にも担ってもらわないと個別機能訓練加算をとることはできません。
レクリエーションの進行や利用者に適切な機能訓練や日常生活訓練の実施
看護学校では、レクリエーションや機能訓練の進め方など習いません。
レクリエーションは参加する利用者によって内容を選択し、転倒に注意しながら進行していく必要があるため慣れるまでは結構ストレスでした。
(そもそも施設によっては介護職の仕事なのですが・・・。)
レクリエーションが好きな利用者にリーダー的な役割を担ってもらったり、参加している利用者と介護職が楽しいと感じてもらえるように心がけるといいですよ。
積極的に体を動かしてもらうというよりは、
「気づいたら楽しくて夢中になって体を動かしていた。」
というレクリエーションを目指しましょう。
機能訓練は生活リハビリ以外に平行棒を使用した歩行訓練や立位訓練、プーリー、エルゴメーター、ゴムバンドやボールを使用した運動などを行っていました。
それぞれの利用者の残存機能を維持できるように機能訓練のメニューを決めていました。
仕事内容の大変さを他の職種の人に理解してもらいにくい
機能訓練指導員が1人の施設では仕事内容・機能訓練の必要性を理解してもらいにくい場合もあります。
介護職から「今日からレクリエーションをしてくれますか?」と言われ、機能訓練指導員=レクリエーションを実施する人と思われていました。
機能訓練指導員は個別機能訓練加算をとるためにケアプランに沿って個別機能訓練計画書を作成し、利用者&家族に説明・同意を得てから他職種と連携して実施・評価することが主な仕事です。
レクリエーションを実施する人ではありません。
個別機能訓練計画書などの書類作成・家族への説明などがキツイ
3カ月ごとに個別機能訓練計画書を作成していましたが、慣れるまでは作成に時間もかかります。
また個別機能訓練計画書は家族に訓練内容を説明・署名をもらわないといけません。
不備があると返納しないといけない場合もあるので、キツイですが責任をもって取り組みましょう。
個別機能訓練加算の返金についての詳しい記事はこちらをご覧ください。
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機能訓練指導員が注意しないといけない個別機能訓練加算の返金について
続きを見る
看護師・介護職が人手不足の際に便利に使われやすい
介護施設では看護師と介護職は人手不足のため急な病院受診の対応、入浴介助&食事介助、経管栄養&口腔ケア・処置・吸引など色々なことを頼まれやすいです。
仕方がないと割り切って可能な限りは頼まれた業務のフォローに入ることをおススメします。 感謝され、良好な関係を築きやすくなりますよ。
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担当者との連絡がLINEでも可能なのもおススメです。
まとめ
病院看護師が機能訓練指導員へ転職した際に医療的ケアはなく物足りなさを感じたり、病院勤務に戻れないのではと不安に感じることがあります。
しかし、機能訓練指導員は病院看護師よりも利用者とゆっくりと関わることができやりがいを感じやすく、レクリェーション活動など利用者と楽しい時間を共有することができます。
機能訓練指導員は病院看護師のような夜勤はなく、週末が休みで働きやすい勤務形態なので不規則な勤務に疲れてしまった方にはおススメです。
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