うちの老健施設ではクラスター発生当初は研修室をレッドゾーンにしていました。
しかし、研修室にはトイレも洗面所もなく、「こんな環境でどうやって利用者さんの対応をすればいいのだろう・・・。」と頭を抱えました。
老健施設などの高齢者施設でコロナ感染者の利用者さんの対応を行うのは、介護が必要な高齢者が多いこと以外にも施設の構造上の問題もあり本当に大変でした。
水回りが全くない不便なレットゾーン(研修室)で、どのようにコロナに感染した利用者さんの生活援助を行っていたのかをお伝えします。
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高齢者施設で新型コロナウイルスクラスター発生!レッドゾーン勤務になりました
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看護師SAKURAのプロフィール
九州在住、看護師歴25年以上
病院(病棟・外来)・特別養護老人ホーム(機能訓練指導員)・透析クリニック・デイサービス・老健施設への転職経験があり、数多くの面接を受けてきました。
現在はリハビリ特化型のデイサービスで機能訓練指導員として在籍中です。
目次
レットゾーンの利用者さんの日常生活援助はどのように行っていたの?
レットゾーン(研修室)には洗面所・トイレはありませんでした。
レットゾーンの利用者さんの中にはトイレや洗面など自立できていた方が数名いましたが、当然レットゾーンから外には出られないため一人ずつポータブルトイレの設置、うがい用のガーグルベースなどが必要でした。
レットゾーンでのトイレ問題
ほぼ終日オムツ使用の利用者さんでしたが、終日トイレ使用だった利用者さんが4名程いました。
私は初日に一人でレッドゾーン勤務になってしまい、利用者さんに「トイレはどうしたらいいの?」と質問され、
ポータブルトイレを使用してもらうにしてもどこで洗浄したらいいの?
とりあえず、ポータブルトイレの中にビニールをかけて使用してもらいましたが、この排泄物をどうすればいいのかグリーンゾーンの看護師さんに電話で相談。
「私、猫を飼っているんだけど猫砂はどうかなぁ?ニオイも出ないし。」
早速、事務員さんに猫砂を買ってきてもらいポータブルトイレの中にビニール袋をかけて猫砂を入れてみました。
この猫砂は本当に良かったです。
猫砂の上に排泄してもらい、直ぐに固まるので音もしないし、臭いも気にならず利用者さんからも好評でした。
粉末の凝固剤も使用してみましたが結構な量をかけないとジェル状まで固まりませんでした。
レットゾーンでの食事&口腔ケア問題
レットゾーンの利用者さんの食事は使い捨て容器で準備され、水分はペットボトルを準備してもらいました。
洗面所がなかったため、口腔ケアは人数分のガーグルベースを準備してもらい紙コップに水を準備し口腔ケアを行っていました。
残飯や飲み残しのお茶・口腔ケアで使用した水などもビニール袋に猫砂を入れて処分していました。
レットゾーンでの保清問題
3日おきに清拭を行っていましたが、実際に使用したのはこちらです。
泡シャンプーは利用者さんから「頭が痒かったけどさっぱりした。」ととても喜ばれました。
レットゾーンの利用者さんの洗濯物は3日間ビニール袋に入れて保管し、3日経過後の洗濯物には感染性はないので通常の方法で洗濯は可能になるため助手さんに洗濯をしてもらっていました。
レットゾーンでのナースコール問題
レットゾーン(研修室)にはナースコールはありません。利用者さんのベット柵に音楽療法で使用していた楽器の鈴をつけて、用事がある時は鳴らしてもらっていました。
センサーマットも使用できなかったため、このベット柵につけた鈴は柵を握って起き上がろうとした際にも音が鳴っていたので転倒予防にもなっていました。
まとめ
レットゾーン勤務の看護師は自身の感染予防に努めながらも感染した利用者さんの状態観察&生活援助を行う必要があります。
しかし、急に新型コロナウイルスに感染したことを告げられ、レットゾーンに移動することになった利用者さんはとても不安そうでした。
なるべくコミュニケーションを図り、平常に近づけられるような環境作りに努め利用者さんにその思いは伝わっていたようで、レットゾーンから出た際にはレットゾーンという同じ境遇?の私と利用者さんの間にはクラスター前にはなかった関係を築くことができました。
次回の記事ではクラスター発生後のレットゾーン&グリーンゾーンでの看護師の激務、他職種はどこまでフォローに入ってくれたのか等についてお伝えしますので併せて読んでください。
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高齢者施設で新型コロナクラスター発生!なぜ看護師ばかり大変なの?
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