2月某日、
「熱が出ているH川さん、抗原検査してみたら陽性だった!!」
同僚の看護師からショックな報告が・・・。
老健施設でのクラスターの始まりでした。
H川さんの新型コロナウイルス感染発覚から1週間前、職員1人が新型コロナウイルスに感染しました。
翌日に全職員&利用者さんのPCR検査が行われましたが、その時の結果は全員陰性。
3回目のワクチン接種のおかげだね。
と安堵した私。
しかし、その安堵から1週間後に数名の感染者が出てしまい、私はレッドゾーン勤務になりました。
初めの新型コロナウイルス感染の利用者(H川さん)から、終息までの約1カ月間にレッドゾーン勤務で私が体験したことについてお伝えします。
看護師SAKURAのプロフィール
九州在住、看護師歴25年以上
病院(病棟・外来)・特別養護老人ホーム(機能訓練指導員)・透析クリニック・デイサービス・老健施設への転職経験があり、数多くの面接を受けてきました。
現在はリハビリ特化型のデイサービスで機能訓練指導員として在籍中です。
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高齢者施設で新型コロナクラスター発生!コロナに感染した利用者さんの生活援助
目次
職員から新型コロナウイルス感染者がでた際の取り組みは?
休日に「介護職から新型コロナウイルスの感染者が出た。」と電話があり、急遽出勤。
利用者さんの中には、感染を疑うような熱発者や体調不良の方はいませんでしたが、翌日のPCR検査の結果が出るまでは安心できません。
もし、利用者さんから感染者が出た場合を想定し、レッドゾーンに使用する研修室の片付けや最低限必要な物品の準備を行いました。
感染した介護職と濃厚接触者は?
新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者の定義は👇
保健所からの調査では感染した介護職は常にマスク着用、休憩は自家用車で過ごしていたため濃厚接触者はなし。
しかし、利用者さんのマスク着用率は5%以下。
職員の感染が発覚してから全利用者にマスク着用の指示がでましたが、認知症で着用が困難な方や「息苦しい。」とマスクを嫌がる方が数名いました。
利用者から感染者が出ませんようにと祈りながら全利用者のPCR検査を実施しました。
PCR検査後から初めの利用者の感染者が出るまで
PCR検査の結果が翌日の午後に出て結果は全員陰性でしたが、
その1週間後に介護職から、
「H川さんがいつもより元気がないです。食事も残していたし。」
と報告がありました。
バイタル測定を行うと体温:38・5℃、SPO2:88%、湿性咳嗽・咽頭痛あり。
担当の看護師は
抗原検査を実施。
結果は陽性でした・・・。
同じフロアの全利用者に抗原検査を実施すると、他にも数名陽性者が出てしまいました。
抗原検査の結果を保健所に報告し、同日にPCR検査を実施、翌日にPCR検査の結果が保健所から連絡がありました。
前日の抗原検査の結果が陰性だった利用者さんからも陽性者がでてしまい、陽性者の利用者さん達を前日に準備した研修室(レッドゾーン)に移動。
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高齢者施設で新型コロナクラスター発生!コロナ感染後の利用者さんの症状
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レッドゾーン勤務は誰がなるの?
半年ぐらい前、もし新型コロナウイルスのクラスターが発生したら、誰がレッドゾーン勤務になるのかを感染委員会で話し合っていました。
しかし、その時に決めていたレッドゾーン勤務予定だった看護師はすでに退職。
うちの老健施設の看護師はママさん看護師が多く、独身者や年配看護師がレッドゾーン勤務を志願?というか、私も含めて「自分達がやらないといけないよね。」という雰囲気になりレッドゾーン勤務メンバーが自然に決まっていました。
レットゾーン勤務は急に始まります
PCR検査でコロナ陽性者が数名でてしまい、その日の勤務者で唯一の独身者だった私はレッドゾーン勤務になってしまいました。
独身ですが同居家族(両親&ワンコ)がいます。
感染のリスクが高くなるためその日から家には帰らずに職場の寮に泊まることになりました。
母に
取りあえず、着替えとか身の回りの物を適当に持ってきて。
と電話。
電話を切った後に
夜勤も入らないといけなくなり体力的にもつのだろうか?
レッドゾーン勤務はいつまで続くのかなぁ・・・。
と急に不安になり泣いてしまいました。
この日から約1カ月間のレッドゾーン勤務が始まりました。
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高齢者施設で新型コロナクラスター発生!なぜ看護師ばかり大変なの?
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まとめ
これだけ全国的に新型コロナウイルスの感染者が増え続けていたら、いつかうちの老健施設でも感染者が出るかもしれないと漠然と思っていました。
実際に職員&利用者さん達から感染者が出るとレッドゾーンでどのように利用者の対応していくのか、人員の配置、レットゾーン以外で他職種がどのように現場のフォローにあたるのかなど問題が多々発生しました。
全国各地の医療機関や高齢者施設新型コロナウイルスのクラスターが発生し、テレビのニュースで取り上げられましたがその中でも私が一番印象に残っているのが2020年3月の永寿総合病院で発生した新型コロナウイルスの大規模なアウトブレイクです。
関連
この新型コロナウイルスのアウトブレイクの記録をまとめた内容の本がこちらです。
永寿総合病院の職員の皆さんの苦悩やどのようにアウトブレイクを乗り越えていったのかが一部はマンガで分かりやすく書かれていました。
この本を読んだのは私の職場(老健施設)のクラスター終息後だったのですが、クラスター発生前に読んでいたかったなぁと強く感じる内容でした。
永寿総合病院の職員の皆さんが感染対策に努めて取り組まれていたにもかかわらず、感染が拡大してしまった新型コロナウイルスの恐ろしさを再認識しました。
医療機関や高齢者施設で働いている看護師さんに一度は読んでもらいたい1冊です。
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新型コロナクラスター発生で疲弊した高齢者施設の看護師が退職を決意した理由
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最後まで読んでいただきありがとうございました。